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生まれてこないことによる使われないお金


昨日は出生率低下問題に対して人口減少最先端の秋田県の藤里町の話を紹介しました。


5月以降に妊娠届を提出した人の多くは来年出産するため、86万人と過去最低だった2019年の出生数を来年は大きく下回り、少子化が加速する可能性もある。

厚労省の人口動態統計によると、20年1~8月の出生数(速報値)は58万3218人。前年同期比で1万3953人減っており、少子化に歯止めがかかっていない。

その際、うっかり人口減少にだけ焦点を当てたため、高齢化と少子化の問題だけが浮き彫りになってしまったと思います。

しかし、本来、焦点を当てるべきは少子化の方だということに気がついたので、本日深掘りして考察してまいりたいと思います。

子どもにいくらかかるのか?経済的な損失を考える


内閣府が算出しているデータがあります。

○財団法人こども未来財団の「子育てコストに関する調査研究」によると、妊娠・出産費用の平均額は約50万4千円、0歳児の子育て費用は約50万6千円、1歳から3歳までは毎年50万円前後、4歳から6歳までは毎年65万円前後となっている。生まれてから小学校にあがるまでの子育て費用は、約440万円と計算される。

妊娠届出数の減少で妊娠・出産も減少しています。

ということはこの減った分を算出すれば日本経済からこの金額が消えてなくなっていくということに気がつくと思います。

2019年の出生数86万人から20年1~8月の出生数(速報値)の58万人を引けば28万人減る計算になります。

  • 妊娠・出産費用の平均額は約50万4千円

これが28万人減ってしまうので、

  • 50万4千×28万人=1411億2000万円

日本経済から消えてなくなります。

同じように、

  • 0歳児の子育て費用50万6千円も、

50万6千円×28万人減って、

  • 50万6千×28万人=1416億8000万円

日本経済から消えてなくなるのです。

同じく、1歳から3歳までも毎年同じような金額が日本経済から消えてなくなっていくものと思われます。

逆に昨日例にした人口減少最先端の藤里町では、子どもの数が77人しかいないので、

  • 妊娠・出産費用の平均額は約50万4千円

  • 50万4千×77人=3880万8千円

しかかかりません。

同じように、

  • 0歳児の子育て費用50万6千円も、

50万6千円×77人なので、

  • 50万6千×28万人=3896万2千円

しかかからないのです。



国の借金の負担はひとり当たり大きなものになる


そこで忘れてはならない点は、年金や社会保障や国債なんかの国の借金も28万人分負担が増えるのです。

28万人生まれていれば86万人等分すればよかったのですが、28万人少ないので、

  • 単純に28万倍になってしまうことに気がつくと思います。

つまり、国の借金も86万人分で割ればよかったものが、28万人少なくなったため、実質で58万人等分で割らなければいけなくなりました。

なので、一人当たりの負担はかなり上がる計算が成り立つと思います。

このような数字が出てしまった以上、多分、日本人だけで返していくことは極めて困難なので、移民を受け入れたり、外国から労働者や消費者を連れてこないと成り立たない経済であることに気づかれることと思います。

または、いろんな物を生産したとして海外の人へ販売したりしていかないと、この失われた経済と膨らんだ負債は返せないことに気づかれることだと思います。

昨日までは出生率は単なる少子化の問題だと解釈してましたが、本来生まれてくるであろうものが生まれなくなったので、子育て費用やそれにかかるもろもろの費用が日本経済から失われていくのを見落としてました。

子どもが少なくなって寂しいという素直な感想ではなく、子どもにまつわるいろんなサービスが不要になり、その分までもが経済的に縮小していくことに目がいかなかったのは、おそらく男性視点からだと思います。

いずれにしても、新型コロナ禍での出生率の低下は、少子化という問題よりも今後の経済指標を構成する上でかなりキーになる数字になることに間違いがございません。