2022-05-06 イノセントワールド1

フロイトはヒステリーについて研究した精神分析学者


ヒステリーという言葉は

  • ギリシャ語のὑστέρα(ヒステラ 子宮)

を意味する言葉から使われています。

集団ヒステリーや

  • 何か?わからない、
  • 混乱をきわめるとき

によく使われる言葉であるような気がします。

実はフロイトは、この

  • ヒステリーを研究した学者の一人

として有名なことは、

あまり知られていない事実であったりします。

そこで本日は、

  • フロイトにおけるヒステリーの研究とその考察

についてお伝えしてまいりたいと思います。

病の原因はストレス?!ストレスが転換して身体症状となる?!


ヒステリーという言葉が子宮を意味するとおり、

19世紀初頭世までは

  • 女性の骨盤内のうっ血

が原因で発症する病気としてヒステリーが考えられていました。

フロイド選集 9 ヒステリー研究
ジグムンド フロイド
日本教文社
2014-12-01


それを精神分析学入門や夢判断から、

  • 無意識におけるストレスから発病するもの

としたのがフロイトです。

  • ストレスが体によくない

と言うのも、おそらくは

  • フロイト以降の考え方によるもの

と思われます。

フロイトはこのように、

  • 無意識におけるストレスが、
  • 転換型として病にあらわれる

ものを

  • ヒステリー

もしくは


であると見ました。

ストレスは、

意識的であったり、

無意識であったりしても、

蓄積をしてゆきます。

それが発散されたり、

解消されているうちはいいのですが、

蓄積をしてゆくと、

そのストレス症状が

転換して病となって発症するので、

  • ストレスの発散や解消

が病の発症を防ぎます。

体になんらかの病や障害がある場合、

  • このストレスが原因

だからです。

2022-05-06 イノセントワールド2

本能的な自由を制限するための道徳や倫理、法律といった文明の発達が逆に人間を苦しめはじめる


ストレスはさまざまな事柄から溜まってゆくのですが、

それは文明があるからで、

文明の発達が人間を苦めます。

人間にも本能があって、

それが自然的に発現するのが理想なのですが、

  • 文明はそれを抑制する

からです。

この文明にあたるものが、

  • 道徳や倫理、
  • 法律

と言われるものであり、

  • 秩序を保つためのルールである

からなのであります。

人間は本来的には本能に基づく動物で、

  • 暴力的であったり、
  • 性欲的であったり、

します。

ですが、それを100%発現させると、

みんなが困ったり、

迷惑をこうむることになるので、

  • 道徳ができたり、
  • 倫理ができたり、
  • 法律ができたり

します。

つまり、文明によってがんじがらめにされるので、

それがストレスとなって蓄積して、

  • 病となって発現する

からなのです。

  • 何か欲しい場合、
  • その何かが得られればストレスは解消します。

ですが、

  • その何か?

がわからない、

もしくは、

  • 何か?

はわかっていても、

  • 得られることができない場合、

ストレスは蓄積してゆき、病として発現します。

そういった病はストレスから転換して心身症や神経症となって、

  • 人間を蝕んでゆく

と考えたのがフロイトでしたし、

それはおそらく事実であった気がします。



Mr.Children 1992-1995
Mr.Children
トイズファクトリー
2001-07-11


性的衝動や欲求が満たされないとき…不都合な学説


それを性的な衝動やタブーに近い形で発表したため、

当時の学界からは

  • 総スカン

をくらいました。


なぜならキリスト教的文化やキリスト教的な価値観が根強いヨーロッパでは、

  • 女性が性的欲求を持っていることを認めること自体

が不快な事実だったからです。

フロイトの同胞であるユングやアドラーでさえ距離を置いたので、

その学説は実に不快な学説だったのだと思います。

  • 信じるか?
  • 信じないか?

はあなた次第ではないのですが、

フロイトのヒステリー研究の多くはそのことをテーマにして語られていますし、

それは実際に患者との往診で得られた結論だったからなのです。

フロイトが生きていた時代は、

第二次世界大戦前のウィーンです。

そのウィーンでそういった学説が生まれたという事実にも注目した方がいいように思います。

つまり、社会は

  • そのような状態にあった

ということです。

フロイト自身もユダヤ人であったため、

のちに迫害のおそれから亡命し、

最後はロンドンで亡くなっています。

フロイトの脱出
デヴィッド・コーエン
みすず書房
2014-01-10