マルクス(1)

ビットコインは非中央集権的な社会を目指すテクノロジー


ビットコインやブロックチェーンは非中央集権を目指しています。


中央集権とは政治であれば政府であり、銀行であれば日銀のような管理者のいる体制を指します。

しかし、その管理者が不正をしたり、暴力的になると、人びとはおびやかされるので管理者の必要としない非中央集権を目指しているのがビットコインやブロックチェーンの試みであると言うことができます。

  • ビットコインやブロックチェーンの特徴は、

  • パソコンのP2Pネットワークによって相互に承認するので、

  • パソコンやネットワークがある限りは永遠につづきますし、

  • 管理者を必要としない

ので不正や暴力的な管理から身を守れることになります。

ビットコインであれば財産を気軽に持ち運びできるようになりましたし、

イーサリアムのDeFi(分散型金融)なんかでは気軽にお金の貸し借りもおこなわれるようになりました。

この非中央集権化を目指した動きが政治ではなく、テクノロジーと金融の分野から始まった点が留意してもらいたい点であると思います。


お金が価値を持つことによって社会が変わっていった歴史は存在しない


今ではビットコインも700万円を突破しましたし、

DeFiも活況を呈し、

イーサリアムも30万円を突破しました。

そこで気をつけてほしい点は、

ある程度大きくなると、

国家の規制が激しくなってくるリスクです。


ビットコインをめぐる考察や

ブロックチェーンをめぐる考察でも、

  • お金の成り立ちや
  • 貨幣の仕組み

に関してはすごく勉強をしているのですが、

お金をめぐる政治的な対立や歴史については理解にとぼしい人が多いのも実際です。

そして、お金についてシンプルに考えるとき、

  • お金の価値が上がってゆくことによって
  • 世の中が変わった仕組み

は実はありません。

オランダのチューリップバブルも

たまたまチューリップの値段が上がっただけで、

それにより世の中が富にあふれた話にはならないワケなのです。

新訳 バブルの歴史 ──最後に来た者は悪魔の餌食
エドワード・チャンセラー
パンローリング株式会社
2018-06-16


この辺に、お金の持つ力とお金の無力さを見ることができると思います。

つまり、お金だけ大きくなっても、世の中は変わらないという歴史です。

世の中が変わるときはいつも戦争や覇権の移動によって起こります。

銃・病原菌・鉄 上
倉骨 彰 (翻訳)
Audible Studios
2020-11-13


戦争はある意味、借金さえも帳消しにしたりするので、富なんて物は持っていてもいなくてもそんなに変わらないことを認識いただけるだろうと思います。

資本主義を考察した『資本論』は恐慌と戦争のサイクルをあきらかにした


マルクスは

  • 資本主義社会では恐慌と戦争をある一定の法則によって繰り返す

ことを解きあかした数少ない経済学者であると思います。

資本論 (1) (国民文庫 (25))
カール・マルクス
大月書店
1972-03T


  • 資本は膨張します。

  • お金持ちがお金を持っていて、お金持ちがさらにお金持ちになってゆきます。

  • そのとき、資本は循環しなくなり、停滞を起こします。

  • それを富の独占と言います。

独占禁止法があるのも大方、独占することにより弊害が生じるからなのです。

その富の独占が起こるとき、資本は膨張し、循環をやめます。

するとどういったことが起こるのか?

というも

  • 恐慌であり、
  • その恐慌が戦争を生んでしまう

のです。

戦争と言えば命を奪われる悲惨な経験というイメージが強いのですが、

その経済学的な目的は軍需産業である場合がほとんどです。

つまり、戦うというよりは経済を回すために戦争をするというのが実際の目的であります。

人びとは憎しみのうちに途方に暮れますが、一方では軍需産業が活発になり、軍需産業へ投資されます。

これはある意味、

  • 公共事業と同じ考えで、
  • 不必要な所を工事したりすることに似ています。

つまり、

  • 道路を掘って埋めるのも工事です。

それと同じ発想で、戦争がおこなわれるというのがマルクスの主張だからです。

お金や富は何も変えることができない


投資家のポール・チューダー氏がインフレ時のリスクヘッジとしてビットコインを推奨するのは、

当のポール・チューダー氏は株式や債権に投資しているからなのです。


新型コロナの影響で世の中が混乱をきわめるとき、どっちへ転んでもいいようにリスクヘッジをかけます。

日本でも日銀破綻や財政破綻を心配する声も聞かれはじめました。

それと言うのもお金がなくなるおそれがありますし、経済が循環していない感覚があるからだと思います。

背景には株価や暗号通貨の資産バブルがあります。


この状態は富の独占に近く、富のかたよりをまねいているのです。

  • お金が紙切れになるときも、

  • お金以外の物に投資されたり、

  • お金以外の物で持つ人が増えるから、

  • お金は紙切れになってゆきます。

それは支持されないことを意味し、

支持されないということは価値の低下をあらわします。

ですが、歴史を見ればあきらかなように、

  • お金の価値が低下することによって

  • 世の中が変わったこともない

ですし、

  • お金以上の価値を持った物が登場することによって

  • 世の中が変わった歴史もない

のです。

ある国とある国の戦争であったり、

ある国からある国へ覇権が移動することにより

世の中は変わってゆくからです。

ビットコインは非中央集権を目指し、

中央集権を毛嫌いしますが、

しかし、実際のところ、

非中央集権が歴史を変えた歴史がない以上、

中央集権の制限を受けることになることには誰も気がつく人がいないような気がします。