日銀の異次元緩和で国民が知らぬ間に膨らむリスク
政府と日銀が結託しておかしな事をしている話はこちらとこちらで書きました。
リーマンショック後の不景気の際、デフレという物価下落に対して日銀は異次元緩和という政策を実行しました。
- 「異次元金融緩和」のどこが問題? 国民が知らぬ間に膨らむリスクとは
- http://ictj-report.joho.or.jp/1905/sp05.html
この目的は、デフレという物価下落に際して、紙幣を刷れば紙幣を刷った分、紙幣の価値が落ちるので物価の下落はなくなるとする考え方です。
実際、物の価値と紙幣の価値が同じであれば、紙幣を多くした分、紙幣の価値は目減りしていくので、物の価値は上がる計算になります。
たとえば、卵が198円のとき、卵一パックに対して198円です。
卵が増えるほど多いと、卵の値段は下落してゆきます。
逆に、卵が足りないと、卵の値段は上昇してゆきます。
ここで、逆にお金を増やしてやると、お金の方が多いので、卵の値段は下がります。
逆に、お金を減らすと、卵の値段は上がります。
なので、実際にはお金を刷って増やしているので、卵の値段は下がってますが、卵そのものの価値は上がっているのです。
これがのちのちハイパーインフレとなる要因です。
つまり、お金をたくさん刷っているので、値段は下がったかのように見えます。
ですが、お金に対して物の量は変わらないので、お金を刷って増やした分、物の価値は上がっているという経済学的な事実であったりします。
このことに気づいている経済学者は少ないように思います。
いくらお金を刷っても問題ない トンデモ経済理論の現代貨幣理論(MMT)
現代貨幣理論の要旨は、
「ある政府が自国通貨建ての国債を発行し、いくら借金しようと、いざとなればみずから新たにお金を発行して返せるので返済不能になり得ず、財政破綻することもない」
という点です。
渋沢栄一の紙幣を発行しようとしているのはそのためです。
- 世界で消える高額紙幣 渋沢栄一が「万札最後の顔」に?
- https://www.asahi.com/articles/ASM526H4RM4YULFA006.html
日銀の異次元緩和の理論の礎もこの現代貨幣理論であって、だからこそ国の債務を自国通貨で買っていれば財政破綻することはないという主張です。
- 話題の「MMT」がトンデモ経済理論と言えないこれだけの理由
- https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65350
そのため、日銀のETF買い入れもそうですが、国のお金が日経平均という株式市場へ投資されていたり、グリフという年金運用財団も年金資金を日経平均へ投じて運用しております。
よくアベノミクスなんて表現がありますが、このアベノミクスが景気がいいと言う意味は株価の話であって、それは日銀がETF買い入れでお金を投じているやらせであって、株に投資した人のみが知っていて恩恵を受けている話だったりしています。
なので、アベノミクスが景気がいいと言う場合、あくまで日銀のETF買い入れによる株価の回復であって、実際に売上高や経常利益が回復している話ではないのです。
極端な話、企業業績であっても資産のところに自社株が含まれているので、日銀がETF買い入れによって底上げを図れば一見、景気がよくなったかのように見えるマジックみたいなところがあります。
東京オリンピックの延期とコロナショックの追い打ち
東京オリンピックへ向けて、建設業や観光業へ投資されていたのですが、新型コロナの影響でそれもなくなり、もはやあと戻りができなくなった話です。
先のマラソンの候補地なんかもそうですが、当然、マラソンの候補地が決まればその土地の値段が上がったり、その土地のお店が繁盛したりします。
なので、みんな東京にこだわったりしていたのです。
ですが、新型コロナの影響でそれも断念となり、次々に投資家のお金が引き上げられ、最後のババ抜きが行われている状態です。
もう正直、オリンピックの開催もかなり微妙な感じとなり、マインド的にもかなり冷え込んでいるので、建設需要や広告需要なんかも減退しているものと思われます。
海外の投資家が日本へ投資していたとしても、その株が売られれば当然株価も下がりますし、その株価は日本円なので引き上げられたあとドルにされれば、当然、日本円の為替も影響を受けます。
深刻化するコロナ不景気と株安と円安
海外の投資家の日本株売りが始まれば、円の価値も連動して下がり、需要がなくなってしまいます。
需要がなくなったのはいいのですが、当初より日銀が紙幣を刷り続けているので、相変わらず紙幣の量は多いワケです。
と言うことは、さらに通貨の価値は下がり続け、円の価値がなくなってしまう可能性が指摘されております。
値段が下がって見えるのは、通貨の価値が下がっているからで、物の価値は逆に上がっている状態なのです。
- 貯金がすべて「紙クズ」になる日に備えるには?
- https://ironna.jp/article/3917
こういう現象は戦後も起こっていたみたいで、お金があるときを境に紙切れとなってしまうパターンなんだと思います。
- 近づく令和大恐慌と「預金封鎖」なぜアメリカのために日本国民が血を流すのか?
- https://www.mag2.com/p/money/792280
ちなみに戦後の際は預金封鎖が行なわれ、銀行に預けられている預金や国債が財政赤字の穴埋めに使われた歴史がございます。

なので、日本円で預金している場合は預金封鎖の際、なんともできませんが、ドルや仮想通貨で持っておくと、たとえば100万円分の価値はそのまま100万円に近い状態で保存できたりします。

もし、新札が発行されて、今までの財政赤字をチャラにする場合、旧札は使えなくなりますが、ドルや仮想通貨であれば売却したり、新しい通貨へ両替が可能であったりします。
今、ビットコインが上昇しているのも、どちらかと言えば日本円の価値が下落しているので上昇しているように見える点だったりしています。
もとより、新型コロナショックの影響で、日銀のETF買い入れもかなりの金額になりましたし、FRBも禁じ手と言われている企業の社債の買取りを始めました。
日銀もそうですが、FRBもそうですが、こうして円もドルも刷られる場合、その増えた分、価値が減っていることに気づいていません。
物の量が変わらない場合、通貨を発行すれば発行した分、通貨の価値は下がっていっているのです。
なので、物の値段は安くなったかのように思いますが、それはお金の価値が下がったので安く見えるだけで、実際には物の価値は相対的に上がっているのです。
金やビットコインもそうだとすれば、中央銀行がお金を刷ればするほど、これらは上がっていくことになります。
- 関連記事
- 現代貨幣理論(MMT)の話
- https://www.onechan1977.com/BankofJapanbankruptcy/MMT
- 日銀破綻に備える 日銀のETF(上場投資信託)買い入れの仕組みについて
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- 金融危機の今の時代、日本円で貯金するのはかなりリスキーな話
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