打ち出の小槌理論


今回の新型コロナウィルス騒動でもなんですが、国民や企業がお金に困っている際に軽い感じで日銀にお金を刷れ刷れなんて発言したりする政治家の方や経済学者の方がいたりします。

それらは現代貨幣理論(MMT)信者と言われていて、自国の借金を自国の通貨で国債という形で発行していれば財政は破綻しないと考える信者なのですが、正直、そういう考えの人が経済学をしっかり勉強したのか?謎だったりします。

で、あれば財政破綻したアルゼンチンやレバノンも国債を発行すれば解決するワケだし、ハイパーインフレのジンバブエやベネズエラも簡単に解決するはずなのです。


なぜ、これらの国は困難に直面していて、日本だけあたかも例外のような考えに至れるのは正直、幸福な発想だと思います。

お金は刷れば刷るほど物価が下がる事実


ぶっちゃけ日銀の異次元緩和も物価の下落を目的にしたものでした。

当初は不景気で消費が落ち込んだため、消費を回復させるために異次元緩和を行ないました。

と、言うことはお金をばらまく事によって、物価が下がることを表しています。

消費の冷え込みの際に考えられるのは需要の低下です。

つまり、市場に欲しい物がないか?それとも欲しい物を手に入れるお金がないか?です。

もし、市場に欲しい物がなければ消費喚起のためには欲しい物を生産しなければいけないですし、欲しい物を手に入れるお金がなければお金を配るしかありません。

んで、お金を配れば当然、配った分、欲しい物が手に入る反面、欲しい物の価値は下がっているのです。

この仕組みは価値論で説明がつきます。

商品と財、物とお金


一国の価値は以前は金本位制で、その国の金の在高で表現されてましたが、金本位制崩壊後はGDP(国民総生産)で表されます。

GDPが一国の価値を生産しました。

それに対して、物という商品とお金があるのですが、お金の方がどんどん多くなっていくと、相対的に物の価値は下がり始めるのです。

たとえばGDPが100万円だったとして、100万円分の商品があるのですが、お金の方が100万円以上あれば、それは100万円ではなくなります。

つまり、生産した商品より多くのお金が流通していれば、生産した商品の価値は小さくなるという話です。

100円の商品も100円と等価に交換されればそれは100円の価値が等価で移転しますが、お金の方が多くなると100円の商品の価値の方が小さくなります。

それは手に入りやすいですし、楽に手に入れることができるからです。

マスクが高額なワケ


逆にお金の方が少なくなると、商品の価値は上がり始めます。

100円の商品も100円を持っている人が少なくなれば、なかなか手に入らなくなります。

100円を持っている人が少ないので黙っていても売れるからです。

マスクの高額転売と一緒です。

なので、マスクは商品の方が足りないので高くなりますし、高く販売しても売れるのです。

んで、今の日本ってこの状態でお金を配り始めているところです。

物価が回復していないのにお金をばらまき始めれば、下がった物価のまま商品を手に入れることができます。

ですが、物価が下落している事実は変わっていないため、単純にお金を配った分入手しやすくなりましたし、入手しやすいということは価値が減っているという証拠なのです。

マスクを想像してみれば分かると思いますが、高い高いと言ってる最中にお金を配ればそれは高いと思わなくなります。

高いお金を払って手に入れるのはそれなりの価値があるからで、そこに国民全員にお金を配れば高いと思わなくなるのと一緒です。

んで、これはお金に対する信用と一緒であったり、働いて得る給料に対する信用と一緒だったりします。

こうやってお金は配れば配るほど、高いと思わなくなりますし、物価はどんどん下がっていっているのです。

高額マスクを無価値にする方法


マスクが1万円して高い場合、国民に1万円を配れば高くなくなります。

それは実質、無料で手に入るからです。

もしかしたらマスクを売る人も売るのをやめてしまうかも知れません。

だって黙ってても1万円くるんだもん。

仕入れて販売して1万円稼がなくても黙ってても1万円もらえるなら何もしなくなるのではないのでしょうか?

そういった積み重ねが貨幣への信用低下となって、誰もその通貨を信用しなくなったとき、日本円の売りが止まらなくなったり、財やサービスの移動が停止します。

んで、このときにお金の価値が無価値となれば商品なり物の価値はそのままなのでハイパーインフレとなります。

今までは商品とお金がバランスをとって物価としてバランスをとってましたが、商品だけが残り、お金が無価値となれば商品の価値が高くなって手の届かない価格になります。

たとえば日本円で1ドル107円だったとしても、日本円が無価値となり、0円になれば107倍です。

一方の商品の価値はそのまま変わらないので、100円だったものは1ドル107円の状態のまま残るのです。

円は無価値となって0円ですが、商品は107倍の価値として残されるのです。

以上、現代貨幣理論(MMT)で日銀がお金を刷れば刷るほど貧しくなっている理由