資本主義の本質への無理解が日銀の国債買い入れやMMT理論を生んでいる


日銀が紙幣をバンバン刷ったり、MM T論者が国債をバンバン発行しても構わないと発言したり、どうも経済の本質を知らない人が多いと言いますか、資本主義経済の仕組みを理解していない人が多いのだと思いました。
マルクスはご存じのように産業革命の頃のイギリスの資本主義社会を考察し、資本には勝ち目がないことを明らかにして共産主義を唱えた学者です。

共産主義は失敗しているのでその点はマルクスの不備ですが、資本主義的な生産過程は経済学の本質を明らかにしているので、その点は大いに勉強した方がいいのだと思います。



日本の国内総生産(GDP)が富を表している


資本主義的生産過程の富はその生産物と労働力であります。

生産物についてはさまざまな解釈がありますが、今であればサービスなんかもこれに該当します。

純粋な生産物(農業であればお米)のほか、付帯的なサービス(医療や介護)なんかも生産物に該当します。

それを生産するために労働力が使われるのです。

この労働力は人件費に代表されるところで、人間の人間のためによる労働です。

農業であればお米を作るための作業や労働であり、医療であれば体を治すための労働であり、介護であれば生活を支援する労働であったりします。

それらに対して労働力が付与され、それが生産物やサービスを生んでいるものと考えます。

たとえば、転売が分かりやすいのですが、右から左へ商品を流す際、仲立ちする人が儲けを得ます。

労働力はこれと一緒で、お米を生産する際、その人の作業や労働がお米の価格に転嫁されているだけです。
医療はその医療的サービスに、介護はその介護できてサービスの価格に労働力分の価値が付与されていると考えます。

なので、基本的に転売と一緒で、お米を提供する場合も、医療サービスを提供する際も、介護サービスを提供する際も、人の手を介して提供されるのです。

価格的に見れば、それはお米の価格に内包されていたり、医療費に内包されていたり、介護費用に内包されていたりするだけです。



富が増えないのにお金だけが刷られている(MMT理論)


このように生産された富に対して、今では国内総生産に当たるGDPが富の源泉ですが、その富の分配が政治の役割だったりします。

富を分配する際は、政治学上、比較的平等な分配が求められます。

なので、商品が高すぎたら購入できませんし、サービスも高すぎれば利用できなかったりします。

なので、高い場合はお金をより多く配ったり、より多く刷ったりすれば、商品の価値は毀損せずに値段だけ下げることに成功します。

これは実際には値段が下がったように見えますが、物の価値は物の過剰や不足がない限り変更されません。なので、この場合、お金の価値を下げているのです。
お金の価値が下がれば、物の価値が下がらなくても値段は下げることができるのですを

お金をたくさん配ったり、刷ったりしているので、より多くの人が購入したり、利用したりできるのですが、肝心なところはそれを上回る価値を生産しない限りは帳尻がとれなくなるという点です。

なので、一時的な不況であったり、一時的に物が買えない時代であれば仕方がないのですが、慢性的にお金を配ったり、刷ったりする施策を繰り返していると、GDP換算で釣り合いが取れなくなるため、お金の価値だけが下がっていく計算になります。

初めの頃は商品とお金の価値は等価なのですが、お金を配ったり、刷り続けるとお金の価値だけがどんどん下がり続けることになります。

GDP換算でそれが上回れば問題がないのですが、変わらなかったり、むしろ下落傾向にあれば、国民は対して富を生産していないのに富を交換しているという事実に気づくことになると思います。

経済は経済を回すという表現通り、富を分配するのですが、その富の総量が増えないばかりか?富の総量が次第に目減りしていっているのです。

なぜかと言えば、紙幣を配ったり、刷ったりしているからで、その一時的な対処法であれば富の総量が増えた時点で元に戻すべきですし、富の総量が増えない場合は途中でも中止した方が好ましいのです。



まもなくハイパーインフレに見舞われる日本


このように多分、知らないうちに富の総量が減っていき、たくさん発行された紙幣がむしろ軽々と交換されている状態がハイパーインフレ前の日本だと思います。

富よりも紙幣の方が多いため、一見、値段が安くて簡単に買えるように見えるのですが、それは紙幣がたくさん発行されているからであり、富の総量が増えていないと逆に商品の価値は上がっているということに気がつきにくくなると思います。

それはぶっちゃけ商品だからそう思うのですが、先ほども申し上げました通り、商品の価格に労働力の価格も内包されているのです。

それを冷静に分析してみたら時給換算でも月給換算でも、自社や他社で生産されている商品の価格が異常に安いと言うことに驚かれるかも知れません。

ですが、その安い商品の中に労働力分の価格が内包されているので、安いのは単純に紙幣をたくさん配ったり、刷ったりしたのであなたの賃金や人件費もそれ相応にもらえていて気づきにくいのです。

ですが、それは明らかにお金の価値が目減りしていって、量だけ増えている異常な状態なのです。

量が増えているので帳尻は合うのですが、安い商品が多いということはあなたの人件費や労働力も安いと言うことなのです。

全体として量だけ増やせば量的な変化となり、質的には変化していないので消耗する形になるのだと思います。

サービス残業が多いのもそのことで説明がつきますし、働いている割には豊かになれないのもそのことで説明がつきます。

つまり、価値は変更されてませんが量が増えていて、量で帳尻を合わせております。

その量を増やしたお金の価値が信用をなくしてゼロになれば、商品の価値はそのままスライドして、量を増やしていないゼロに向き合うことになります。

このとき物価が相当上がっていたことに初めて気がつくことになるので、ハイパーインフレと言われます。


以上、ハイパーインフレの原因を日本の現状に合わせマルクスの資本論的に説明する話でした。

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