2024-01-10 フロイト6

不景気や社会不安に陥ると人々は踊り、エロやグロやナンセンスを好むようになる


不景気に人は踊りはじめる話はこちらでしました。


それはいてもたってもいられない感情や心もちから踊りはじめ、

踊りを好むようになるからです。

その一方で芸術やアートに関しては、

  • エロやグロやナンセンスが流行る

傾向にあることを本日は指摘してまいりたいと思います。

太宰治は富裕層の出身で斜陽に代表される没落貴族の一人


太宰治が好きで太宰文学を読んだり、

三島由紀夫の作品を読んだりしていましたが、

太宰治が生きた時代が、

ちょうど関東大震災後の不景気で、

太宰自身が不景気で苦しんでいたことも事実としてあります。


斜陽族に代表される代名詞は、

  • 没落してゆく富裕層

をあらわした言葉として有名になりました。

斜陽
太宰 治
2012-09-27


そう、太宰治自身も、

津軽の名家に生まれた、

  • 津島家の富裕層

だったからです。

その没落してゆくさまは斜陽に詳しいと思います。

国民が貧しくなって疲弊しているとき感情や情緒へ訴えかける単純な物が見られて買われる


太宰治の同時代の作家の間でも、

当時流行していた、

  • エロ・グロ・ナンセンス

という作風が問題になっていて、

実際売れていたので、転向した作家がいるくらいでした。


つまり今までの正統派の文学や、

いい作品を発表しても、

エロやグロやナンセンスを読者は望むので、

書いていても売れないし、

意味がないのでは?

という声まで出はじめていたからです。

不景気の特徴として考えられるのは、

みな忙しくなって、

頭も体も疲れていて、

  • 何も考えたくない

という特徴だと思います。

そして、余裕がないので、

あまり難しい物では見向きもされず、

単純な物として、

  • エロや
  • グロや
  • ナンセンス

であれば人々は興味を惹かれて見てしまい、

売れるという時代的な傾向であるように思います。

最近のテレビでも、

やたら不安を煽ったり、

やたら怒るような

  • 感情へ訴える事柄

を提供しはじめたのもエロ・グロ・ナンセンス時代の特徴であるような気がします。

国民はすっかり疲れ果てているので、

  • エロや
  • グロや
  • ナンセンス

の方がとっつきやすいからなのであります。

大震災のあと不景気に襲われ、今までの物が売れなくなりエロ・グロ・ナンセンスがはやる


ところがよく考えて欲しい点は、

太宰治の生きた時代は関東大震災後の不景気なのですが、

その後まもなく世界恐慌が起こりますし、

第二次世界大戦へとつきすすんだ時代です。

ハイパーインフレの悪夢
アダム ファーガソン
新潮社
2011-05-25


つまり、戦争の原因も国々のいがみ合いと言うよりは、

この不景気や貧困が原因であると考えるのが妥当な考え方であるような気がするからです。

このようにエロ・グロ・ナンセンス時代に

エロ・グロ・ナンセンスがはやるとき、

もはや国民の間では、

頭も心も疲れていて、

あまり考えずに楽しまれる芸術やアートがはやりはじめます。



ですが、それはあまり考えずに楽しまれる傾向なので、

そういったマインドが自暴自棄となり、

戦争への引き金を引いてしまうのだと思いました。

逆に言えば、

社会が踊りを好みはじめたときや、

エロ・グロ・ナンセンスを好みはじめたときこそ、

用心が必要で、

それは国民が疲弊していることをあらわしている証拠となります。



ですが、安心してください。

時代の流れは止められないので、

時代の流れに乗るしか方法はありません。

複雑な物よりも単純な物が好まれる時代なので、

単純な物を作りつづけるしか方法はないワケなのです。

それは複雑な物は理解されないし、

売れないからです。

時代は常に売れる物を作りつづけるか?

提供しつづけるしかありません。

それは売れるということが、

ある種の気持ちの答えや代弁になっているからなのです。

つまり、

  • お金を出したか?
  • 出してないか?

が答えになっているからです。