2021-08-02 治水工事1

自然に存在している山や川にも実は存在している意味がある


熱海では山にソーラーパネルを設置するために

木々を伐採して土砂を運び、

大雨により土石流が流れてしまう災害が発生した

ことは記憶に新しいことと思います。


それと言うのも、

山には本来、山の機能があり、

木々が雨水などを吸収して、

土石流を防ぐ機能があるからです。

森の生態系.001

山は文字通り高い所に位置しているので、

一番に雨の影響を受けますし、

そこから水が下へくだってゆくさまは、

想像できると思います。

そして、その山の水を流すのが川であって、

川はそこに川があるから川ではない話をいたします。

山からの水を流すために川があるので川があるから水が流れているワケではない


  • 川はそこに川があるから川なのではなく、

山から雨水が下る際、

地形の変化によるくぼみにより、

  • そこが川として機能している

だけなのです。

干からびてしまえば川はなくなりますし、

  • 水流が別の所へ移動しても川は川ではなくなる

からなのです。

型にハマった考え方では、

  • そこに川があるから水を流そう

となるのですが、

  • 安心してください。

  • 水が多く流れるから川ができる

のです。

その前提で浸水被害や治水工事をおこなう必要があります。

2021-08-02 治水工事2

水が流れてくるのをそのまま必要なところへ流してやる仕組み


今でこそ上下水道設備が充実して、

水が必要なときは蛇口をひねれば水を飲めますし、

トイレなどの水を流しても下水道によって運ぶことができます。

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ですが、昔はこういう設備がなかったので、

井戸の水をくんだり、

トイレも回収する車で回収していました。

田舎では田んぼが多いのですが、

その田んぼの水も水道がなければ運ぶのが大変になります。

  • そこで昔の人は考えました。

  • 山から水が流れてくるのであれば、
  • それを持ってくればいいのではないか?

と。

2021-08-02 治水工事3

つまり、山に水がたまり流れてくるので、

それを川で流せばその水を使って田んぼができるので、

川沿いに田んぼができたり、

田んぼに水が供給する仕組みができたのです。

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そうすればわざわざ水をくみに行ったり、

水を運んだりする必要がないので、

  • 田んぼが楽にできる

からなのです。

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戦国時代も豊かさを追い求めて戦うために治水工事は必要だった


戦国時代と言えば、

有名な武将や、

勇猛果敢な武将ばかりがもてはやされるのですが、

戦国時代の

  • 戦争のそもそもの目的は他国への侵略

です。

それは資源の獲得であったり豊かな土壌の獲得なのでありました。

2021-07-22 千秋公園2


  • なん万石の城

と言うとき、

この石高はお米のとれる量をあらわしていて、

お米のとれ高がその城の豊かさをはかる指標になるからです。

2021-08-02 治水工事7

関ヶ原でやぶれた石田三成なんかは、

どちらかと言えばこちらの治水工事や開墾工事の段取りにたけた武将であって、

戦うことには不慣れな武将だったからです。

石田三成 「知の参謀」の実像 (PHP新書)
小和田 哲男
PHP研究所
2015-01-30


秀吉の豊臣政権の頃に徴用された武将の中にはこれらの奉行職があって、

その奉行職は自治管理にすぐれた人材が多いのも特徴的です。

戦国時代の戦争と言えども、

攻め入ってしまえば田畑があれたり、

一揆が起こったりしてしまいます。

年貢という税金が高ければいろんな所が焼き払われたり、

浸水被害や日照りが発生すれば飢えに苦しみ、

不作や疫病が流行したからなのであります。

1俵は60kgで大人一人が年間に消費する米の量なのですが、

年貢で多くを取られ、1俵未満になっちゃえば

  • キレますよね?

だって、そのお米は自分たちで作ったのに、

武将や足軽たちが戦争に行くときに持っていって食べる米になっちゃうんで…。


それらを防ぐためには、

山から来た水をいかに田畑へ流してやるか?

浸水被害や日照りを防ぐために

  • どのように開墾工事をするか?
  • 治水工事をするか?

自然の理で考えに考え抜かれて土木工事や開墾工事、

治水工事がおこなわれました。

2021-08-02 治水工事6

豊かな国は争い事が少なく、他国へ攻め入ることも可能となりますが、

貧しい国は一揆や反乱によりさらに貧しくなってゆくのは戦国時代も同じようです。

戦国時代と言えば、

切った張った

ばかり考えがちなのですが、

実は背後には石田三成のような優秀な人材もいて、

その多くは段取りを組んだり、

行政上の活躍だけになってしまうのですが、

それで多くの争いを未然に防ぐことがてきたのは、

あまり知られていない事実であると思います。